蔵王鉱山:閉山45周年記念式典 仲間と再会、喜び合う−−上山・蔵王 /山形
県内を代表する硫黄の鉱山だった蔵王鉱山の閉山45周年記念式典が13日、上山市蔵王の蔵王猿倉レストハウスで開かれた。当時の従業員らは閉山後に県外へ離れ、中には半世紀近くを隔てて同鉱山の地を訪れた人々もいて、集まった約40人の参加者らは昔の写真を眺めながら仲間との再会を喜び合った。
実行委員会委員長の川口兼次さん(75)によると、蔵王鉱山は、同レストハウス周辺に精錬所があり、最大で月産600トンを採掘。国内でも有数の硫黄鉱山だった。従業員は52年に最大約600人、家族は約1200人に上った。だが、貿易の自由化とともに海外から輸入された安い原料に押され、63年に閉山に追い込まれた。
川口委員長らは96年、仲間から約200万円のカンパを募って山の守り神をまつる神社の社を建て直した。それを機に鉱山の記憶を語り継ごうと、毎年集まるようになった。
母親が鉱山で寮母だった埼玉県菖蒲町の警察官、原田正男さん(59)は初めての参加。「当時、鉱山の従業員で作った野球部が強かった。中学時代には野球を教えてもらい、練習中は外野で球拾いしていたことを覚えている。みんな年を取ったけど忘れられない」と感慨深そうに話していた。
毎日新聞 2007年5月14日
2007/06/09 蔵王鉱山について記事を発見引用しました
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